6.特定商取引法と通信販売1
特定商取引法に関する質問
特定商取引法の法律第十四条では、指示に関する条文に、新しく通信販売の業者等が顧客の意に反して契約の申込みをさせようとした行為について規定していますが、これは例えば一体どのようなことを言うのでしょうか。
それに対する回答
省令第十六条ではその「行為」として以下の三つを規定しています。三つの指定以下、少し噛み砕いて解説をしてします。ここではスペースの都合上、簡単な解説にとどめることにします。従って正式には法律の条文をご参照下さい。
通信販売の業者等が以下に挙げる行為を行った場合には法違反となり、前問の罰則(指示)の対象になります。
①通信販売の事業者等が電子メール等によって消費者からの商品の注文を受ける場合(これを電子契約と言います)において、顧客がウェブ上でパソコン等の電子計算機を何らかの操作をしたことによって契約の申込みになるという場合には、顧客自身の操作が容易に契約の申込みをしていると認識できるように表示していないこと。
これは最近よく見られるパターンなのですが、ここでは顧客による不用意な操作により、本来契約の申し込みをする予定ではなにも係わらず、いつの間にか契約の申込みをしてしまったということがないようにするということです。最近一部の悪質なアダルトサイト等にも見られる現象です。ウェブサイト等でどのように操作すると(正式な)契約申し込みになるのか、それを通信販売の業者等が明確に表示することを義務づけています。敢えてあやふや表示をして、消費者を騙すような行為を禁じているのです。
②通信販売の事業者等が、消費者から電子メール等によって商品の注文を受ける場合(電子契約)において、(契約の前に)契約申し込みの内容について、顧客がパソコン等の電子計算機の操作を行う際にそれを容易に確認でき、尚且つ訂正できるようにしていないこと。
ちょっとわかりにくい表現になっていますが、要するにここでは、顧客が契約の正式な申込みを行う前に、契約申し込みの内容を自分で確認することができ、尚且つ顧客が訂正したいと考える場合には、直ちに訂正できることを意味しています。例えば通信販売の業者が顧客から見て契約が成立したかどうかがわかりにくい表示をしていたり、或いは顧客が契約について訂正したくてもそれを通信販売業者がさせない、そういったことを禁じているのです。
③通信販売等の事業者が、顧客から契約の申込みの様式が印刷された葉書等の書面により売買契約等の申込みを受ける場合において、その書面を通信販売の事業者に送付することが契約の申し込みになるということを、通信販売の顧客に容易に認識できるようにその書面に表示されていないこと。
ここでも難しい表現になっていますが、要するに通信販売の顧客が売買契約の申込みをする意思が無いのにも係わらず、ある書面を通信販売業者に返信することによって契約申込みが成立してしまうという場合、問題になってしまいます。このような問題やトラブルが生じないようにするために、通信販売の事業者は予め葉書等の書面に、例えばどの様なことをすると正式な契約申し込みになるのかを明確に表示しなければならない、そしてそれが顧客にとって容易に分かるようにしなくてはいけない、ということを意味しています。通信販売が曖昧な書面を顧客に送りつけて、顧客が本来契約の意志がないにも関わらず、葉書を通信販売業者にわけのわからないまま返信して、それで契約が成立してしまった、といったようなことを防いでいるのです。
なお、ここでは「電子契約」という言葉が何度か登場していますが、この「電子契約」という言葉は、事業者と消費者との間でパソコン等の画面を介して締結される契約のことえを指しています。そして通信販売等の事業者が当該画面に表示している手続きに従って、消費者がパソコン等を用いて通信販売事業者に送信することによって契約申し込みを行うことをいいます。
最近はとみに増え続けているこうした電子契約ですが、ここで紹介したような契約の落とし穴も少なくないようです。ここで紹介したように法律で規制されてはいますが、通信販売等を利用する消費者の側も、細心の注意でもってこうした電子契約には当たりたいものです。
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最終更新日:2019/6/4